今さら読んだんですが

いやー面白かった

通俗的なものを題材にして人間の本質を描こうとすると、どうにも角田光代みたいになりがちで、それはそれでとても面白くて夢中で読んじゃうけど、なんか井戸端会議で欠席裁判したあとのような読後感の悪さがあったのですよね。

この作品にはそういうにおいがない。終始淡々と、あくまで淡々と、「治らなければいけない」人の生き様を綴っている。作者のフラットな人間観察眼と分析力と表現力にただただ感嘆。

コンビニで生かされ、コンビニに囚われ、コンビニから解脱しようと試みるも、最後にはやはりコンビニに還っていく主人公の姿を見ると、結局、どんな人であっても帰属意識と自己承認欲求からは解放されないんだなあ、と思うとすこし切なくなりますけどね。

 

(goma)